着物のアップサイクルブランドの世界展開 【海外向けオンラインストア制作費】
掲載日 2021年06月06日 新ビジネス・商品起業内容
1.企業概要
【創業】2017年
【理念】「Re(=再生)の文化」を国内外に普及させることで、人々の人生を豊かにする!
【事業内容】着物のアップサイクルブランド。(アップサイクルとは、元あるものに、デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせることで、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせること。)
①お客様のご自宅に眠る、お母様・お祖母様の思い出のお着物をお預かりして、職人の手で傘や扇子・キャップなど日常で使えるものに仕立て直して提供。
②寄付や購入で手に入れた、リユースのお着物を職人の手で傘や扇子、キャップなど日常で使えるものに仕立て直して、国内外に販売。
【あきざくらの特徴】
傘だったら東京の傘職人、扇子だったら京都の扇子職人、キャップだったら京都の帽子職人など、それぞれの日本の熟練の職人に制作を委託することで、どの商品も美しいだけでなく、丈夫で長く使えるクオリティの高いものに仕上げている。(東京洋傘は、東京都の伝統工芸品指定。扇子は、京都の伝統工芸品指定。)
また、上記①の場合は、お客様のご要望に応じて、バックやドレスなども専門の工房に依頼して制作。自社制作しているのではなく、委託制作しているから可能。
上記②の海外での販売に関しては、2019年3月、2020年1月、3月はシンガポールに渡航し、現地の日本イベントにて販売実績あり。
2.顧客ニーズと市場の動向
【市場状況】
呉服業界は、出荷金額のピーク(昭和50年頃と言われる)は1.8兆円規模といわれたが、2013年には3,000億円規模(ピーク時の1/6)まで減少している。日常で着物を着る機会が大きく減少していることが要因。しかし、日本のタンスには約8億点、40兆円分の着物が眠っていると言われている。(※日経ビジネスONLINE2015年3月6日記事※矢野経済研究所調査結果)これは、着ないものの、お母様やお祖母様から受け継いだお着物だからと捨てられずタンスに保管している家庭が多いことから起きている。
コロナ禍でステイホームの期間が続く中、家の片付けでタンスの中の着物に向き合い、思い出が詰まっているから捨てられない、更には売っても高く売れない(※1)着物を持て余している家庭は増え、着物のリメイクの需要は増えている。
※1 有名作家ものの着物は数万円になることもあるが、通常数百円程度
また、近年東京オリンピック開催のきっかけもあり、国内に自国の文化を見直す動きが加速しており、テレビや雑誌、行政からも職人技術、伝統工芸への注目度は増してる。 ストーリーが伝われば、そこに価値を感じ購入する顧客層の獲得が進んでいる。
更に、2017年の訪日外国人の買い物消費は、約3500億円。その中の約1/4が服・ファッション・民芸品であり、外国人の購入需要は確実に存在する。
現在コロナの影響でインバウンドは激減しているが、変わって越境ECの市場規模が拡大している。世界の越境ECの市場規模は、中国を中心に急激に成長すると予想されており、2020年7月に経済産業省から発表された「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業報告書」にて、2020年の99兆円から2027年には529兆円規模になると予想されている。
今まで、日本に来て購入していたものを、越境ECで購入する顧客は増えていくと考えられる。
特に、海外でもKIMONOの認知度は上がり、着物自体の輸出は増えている中(主にリサイクル着物)、着物生地を使った商品もとても反応が良い。
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【あきざくらの状況】
ブランド立ち上げから、NHKやテレビ東京、日本テレビ、日経新聞などで取材頂くなど、世の中的に着物のアップサイクルへの注目の高さは感じている。ただ、コロナ禍になり、お客様のお持ちのお着物でのアップサイクル依頼は多少増えたものの、イベント出店などの既成品のリアルでの販売の機会がなくなり、売上増加に苦戦している。
また、海外へも2020年3月のシンガポールでのイベントを最後に行けておらず、海外への販路開拓が止まってしまっている。
【競合について】
着物のリメイクを請け負っている企業は、商品は様々だがネット検索すると10件以上ある。
また、着物から作った製品(バックやポーチが多い)を売っている企業も、年々増えている。
3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み
【あきざくらの強み】
■熟練の職人が制作
どの商品も、委託している熟練の職人が1つ1つ手仕事で制作。丈夫で長持ちする品質なのはもちろん、センスがある職人を選んで依頼しているため、あきざくら側から指定を踏まえて、使用する着物の美しさを最大限活かした商品に仕上がる。
■お客様のご要望に100%応える製品づくり
お手持ちのお着物の制作の依頼時は、あきざくらのメイン商品である、傘、扇子、キャップだけでなく、お客様のご要望次第で、提携する専門工房に依頼してご要望に応じたものを制作。自社製造ではなく、委託製造だからこそ実現可能。過去、バックやビスチェ、ドレスなどをお客様からの要望から制作。
また、既存の商品も、お客様のご要望に応じてカスタマイズ対応はほぼ100%実現している。
■ストーリー性
あきざくらでは、「モノ」として商品を売るだけでなく、あきざくらが持つ豊富な情報から、昔の日本人が着物のそれぞれの柄に込めた想いや、着物を長く使うための知恵、そして職人技の凄さなどをお伝えするなど、「着物」や「アップサイクル」を楽しむ体験(コト)も一緒に提供している。職人技や昔の日本人の精神性の高さに触れることで、日本人としての誇りを感じ、お客様のその後の人生がより豊かになっている事例は数多くある。
【現在の問題点】
コロナ禍で、昨年2020年3月まで行えていた、リアルイベントでの販売や、海外イベントでの販売が出来なくなり、売上が伸びなくなっている。オンライン上での販路拡大を早急に行う必要がある。
現状のHPに関しては、①お持ちのお着物をアップサイクルしたいお客様向けがメインの中に、一部既製品が買えるページはあるものの(日本語オンリー)、あまり反応はない。HP自体PVの割にコンバージョンが低く、HPに来て頂いていも、売上につながっていないのが課題(平均コンバージョン率は2〜3%と言われる中、現状は0.04%程度)
特に、海外向けでの既製品販売の需要はリアル販売の実績から確認できており、早急にその需要に向けて販路を開拓することが必要。
今回の補助事業に取り組んで、withコロナ、Afterコロナでしっかり売上が上がる仕組みを確立する。
<分析したコンバージョンが低い要因>
・今まで、自前でHPのデザインや写真撮影などしてHP運営をしてきた。自身でスマホで撮影したものを使うなど、商品の価格に対して魅力が伝わりづらいビジュアルになってしまっていた。
・2つのターゲット(1お持ちのお着物をアップサイクルしたいお客様、2既成の和小物を購入して楽しみたいお客様)向けが混在するHPになってしまっており、HPにたどり着いてくれたお客様候補の購入意欲を上げる前に離脱されてしまっていた。
【今後のプラン】
現在のHPは、2つのターゲット向けが混在するHPとなっているため、リ・ブランディングしてターゲットごとのサイトを制作する。
①お持ちのお着物をアップサイクルしたいお客様(日本人向け ブランドサイト)
→既存のHPをリニューアル
②既成の和小物を購入して楽しみたいお客様(日本人・外国人向け ECサイト)
事業拡大のためには、効率も考え、今後特に②に注力していく。
【具体的な取り組み】
第一優先として、②既成の和小物を購入して楽しみたい海外のお客様向けのオンラインサイトを構築することで、リアルで海外で作ってきた売上をオンラインで作っていく。
どのような職人技術でアップサイクルするのか伝わる写真や動画の掲載、完成品を使用するイメージが湧く写真や動画の掲載などで、お客様に訴求していく。
また、日本の「Re(=再生)の文化」をはじめ、着物の柄の意味や着物の歴史なども情報発信していくことで、魅力的な購入体験をして頂けるサイトにする。
【実施体制】
オンラインストア制作:海外向けの販路開拓のためのオンラインストアを数多く制作してきた会社にディレクションやデザイン・制作を依頼。
【スケジュール】
2020年7月 オンラインストアのコンセプト設計やリサーチ
2020年8月 オンラインストア構築
2020年11月 オンラインストア完成
予想収益
■定性的効果
②既成の和小物を購入して楽しみたい海外のお客様向け に特化したオンラインストアを構築することで、写真や記載内容でそのお客様にとっての魅力的なサイトになる。更に、英語対応のストアにすることで、オンライン上で海外にマーケットを広げることが出来る。
商品の陳列だけでなく、日本の文化を情報発信することで、今まで着物のアップサイクル商品の存在を知らなかった日本文化に興味があるお客様にも訴求出来るようになる。
■定量的効果
1ヶ月間シンガポールでリアル販売していた実績から、
1ヶ月 50万円の売上げ増が見込める。
500千円×12ヶ月=6000千円
短期的には、あきざくらの売上増加を第一に考えているが、長期的には国内外に日本文化の普及も実現していく。
現在、2つの補助金を申請準備しており、その補助金に採択された場合、先払いとなる費用の負担などにご協力頂ける方を求めています。